新卒採用の実現と採用した後の人材定着を図るために
2025.1.10- #採用
人手不足が深刻化する一方ですが、ものづくり現場の若返りや技能伝承のために新卒の採用を進めたい企業の声も多く耳にします。年々学生数が減少していることに加え、製造現場で働くことを望む学生の割合は減少傾向にあり、課題の難易度は増しています。また、せっかく採用した人材が職場にマッチせずに早期離職することを懸念して採用を躊躇うケースがあります。新卒を採用したくとも、なかなか前に一歩を踏み出せないケースも切実な実態と言えます。
“変化のキッカケ”
長年、入れ替わりがなく同じメンバーで仕事を回してきた職場や、経験者採用で新しく入ったメンバーに仕事を見て覚えてもらっている職場は、社会経験のない新人を受け入れることを容易に想像できません。更に、社員年齢層が高い職場は、新卒との関わり方がわからないという悩みを持ちます。このような職場では、社会経験のない新卒に無理なく仕事に取り組んでもらい、段階的に成長させる仕事の仕組みが必要です。また、若手が孤立しない職場のコミュニケーション習慣を作ることも重要です。新卒の採用を実施していなかった、または採用してもすぐに辞めてしまうという実態も、職場改善や人材育成が後まわしにされてきた一因と言えるのかもしれません。しかし、新メンバーが入ることで現状の仕事を見つめなおす“変化のキッカケ”と捉えられることができれば、既存メンバーにとっても進化できるチャンスとなるはずです。
まずは方針決定から
企業側の実情として、新卒を採用してこなかったから職場の新卒受入準備ができていない実態があると思います。逆に、職場の受入準備が進まないから新卒採用に踏み出せないという採用起点の事情もあります。企業が最初に行うべきことは、現場の若返りや技能承継を目的にして、「新卒人材をものづくり現場に受け入れる」と方針を決めることです。その決定を元に、仕事の役割、新人への仕事の任せ方、若手人材が入ってくることを踏まえた職場のコミュニケーションを変えていく計画を作り、準備を進めます。並行して、採用活動の準備を始めます。採用活動の中で、どのように新卒の社員を受け入れ、育成する方針であるのかを伝える準備もします。
インターンシップで相乗効果を
新卒の採用活動にあたり、学生も企業側もお互いを理解した上で入社・採用することが必要です。会社説明と面接によって採用を決定し、そのまま入社してもらう場合、採用される側と採用する側の両方に「思っていたのとは違っていた」というアンマッチが生じる可能性があります。このようなアンマッチを避けるために、学生の在学期間中に就職を希望する会社において実際に働いてみる体験をしてもらう取り組み(インターンシップ制度)が有効です
インターンシップ生に職業体験の場を提供するのと同時に、社員が新メンバーをどう受け入れて育成すれば良いか、受け入れる側のベテラン社員にとってもイメージトレーニングの好機となるのではないでしょうか。
公社では、都内でものづくりを行う中小企業が取り組む中小企業魅力体験(インターンシップ)活動を支援しています。事業内容の詳細は、下記ページをご覧ください。
【ものづくり中小企業魅力体験(インターンシップ)受入支援事業】
※本支援は、公社がインターンシップの斡旋を行うものではありません。